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建設業許可の基礎知識

許可基準等の説明

許可の種類別内容と建設工事の例示

1 土木一式工事

総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修、改造又は解体する工事を含む。以下同じ)

「プレストレストコンクリート工事」のうち橋梁等の土木工作物を総合的に建設する工事は土木一式工事に該当する。

家屋その他の施設の敷地外の例えば公道下水道の配管工事及び下水処理場自体の敷地造成工事は土木一式工事。

農業用水道、かんがい用排水施設等の建設工事は土木一式工事

※二以上の専門工事を有機的に組み合わせて、独立の使用目的がある土木工作物又は建築物を作る場合は一式工事に該当するほか、二以上の専門工事が組み合わされていなくても、工事の規模、複雑性等からみて総合的な企画、指導、調整を必要とし、個別の専門的な工事として施行することが困難なものと認められるものが該当する。

2 建築一式工事

総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事

3 大工工事業

木材の加工又は取付けにより工作物を築造し、又は工作物に木製設備を取付ける工事(大工工事、型枠工事、造作工事)

4 左官工事業

工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹付け、又ははり付ける工事(左官工事、モルタル工事、モルタル防水工事、吹付け工事、とぎ出し工事、洗い出し工事)

防水モルタルを用いた防水工事は左官工事業、防水工事業どちらの業種の許可でも施行可能。

ガラス張り工事及び乾式壁工事については、左官工事を行う際の準備作業として当然に含まれている。

建築物に対するモルタル等の吹付けが左官工事に該当する。

5 とび・土工工事業

  • 足場の組立て、機械器具、建設資材等重量物の運搬配置、鉄骨等の組立て、工作物の解体等を行う工事(とび、ひき、足場等仮設、重量物の揚重運搬配置、鉄骨組立て、コンクリートブロック据付け、工作物解体)
  • くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事(くい、くい打ち、くい抜き、場所打ぐい)
  • 土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事(土、掘削、根切り、発破、盛土)
  • コンクリートにより工作物を築造する工事(コンクリート、コンクリート打設、コンクリート圧送、プレストレストコンクリート工事)
  • その他基礎的ないしは準備的工事(地すべり防止、地盤改良、ボーリンググラウト、土留め、仮締切り、吹付け、道路付属物設置、捨石、外構、はつり工事)

既に加工された鉄骨を現場で組み立てることのみ請け負うことが鉄筋コンクリート工事に該当する。
トンネル防水工事等の土木系防水工事はとび・土木・コンクリート工事に該当する
ほ装工事に併せて施行するガードレール設置等を含む
※吹付け工事とは法面処理等のためにモルタル又は種子を吹付ける工事を含む

6 石工事業

石材(石材に類似のコンクリートブロック及び擬石を含む。)の加工又は積方により工作物を築造し、又は工作物に石材を取付ける工事(石積み(張り)、コンクリートブロック積み(張り)工事)

※建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事や法面処理、擁壁してコンクリートブロックを積み、またははり付ける工事等が石工事のコンクリートブロック積み(張り)工事に該当する。

7 屋根工事業

瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事(屋根ふき工事)

板金屋根工事、屋根断熱工事も該当する。

8 電気工事業

発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事(発電設備、送配電線、引込線、変電設備、構内電気設備(非常用電気設備を含む)、照明設備、電車線、交通信号設備、ネオン装置工事)

9 管工事業

冷暖房、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事(冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、空気調和設備、給排水・給湯設備、厨房設備、衛生設備、浄化槽、水洗便所設備、ガス管配管、ダクト工事、管内更生工事)

※上下水道に関する施設の建設工事のうち、家屋その他の施設の敷地内の配管工事、上下水道の配水小管を設置する工事が該当する。

※浄化槽(合併処理槽を含む)によりし尿を処理する施設の工事が管工事に該当する

10 タイル、れんが、ブロック工事業

れんが、コンクリートブロック等により工作物を築造し、又は工作物にれんが、コンクリートブロック、タイル等を取付け、又ははり付ける工事(コンクリートブロック積み(張り)、レンガ積み(張り)、タイル張り、築炉、スレート張り工事、ALC工事)

11 鋼構造物工事業

形鋼、鋼板等の鋼材の加工又は組立てにより工作物を築造する工事(鉄骨、橋梁、鉄塔、石油、ガス等の貯蔵用タンク設置、屋外広告、閘門、水門等の門扉設置工事)

※「鉄骨工事」は加工から組立まで一貫して行うものをいう。

12 鉄筋工事業

棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、又は組立てる工事(鉄筋加工組立工事、ガス圧接工事)

13 舗装工事業

道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石等により舗装する工事(アスファルト舗装、コンクリート舗装、ブロック舗装、路盤築造工事)

※ほ装工事と併せて施工されることの多い、ガードレール設置工事はとび・土工・コンクリート工事に該当する

14 しゅんせつ工事業

河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事(しゅんせつ工事)

15 板金工事業

金属薄板等を加工して工作物に取付け、又は工作物に金属製等の付属物を取付ける工事(板金加工、建築板金工事)

16 ガラス工事業

工作物にガラスを加工して取付ける工事(ガラス加工取付け工事)

17 塗装工事業

塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、又ははり付ける工事(塗装、溶射、ライニング、布張り仕上、鋼構造物塗装、路面標示工事)

18 防水工事業

アスファルト、モルタル、シーリング材等によって防水を行う工事(アスファルト防水、モルタル防水、シーリング、塗膜防水、シート防水、注入防水工事)

※建築系の防水工事をいうが防水工事業における防水工事に該当する

※防水モルタルを用いた工事は左官工事業、防水工事業どちらでも施行可能

19 内装仕上工事業

木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事(インテリア、天井仕上、壁張り、内装間仕切り、床仕上、たたみ、ふすま、家具、防音工事)

20 機械器具設置工事業

機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取付ける工事(プラント設備、運搬機械設置、内燃力発電設備、集塵機器設置、給排気機器設置、揚排水機器設置、ダム用仮設備、遊技施設設置、舞台装置設置、サイロ設置、立体駐車設備工事)

※運搬機器設置工事には昇降機設置工事も含まれる

21 熱絶縁工事業

工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事(冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、動力設備又は燃料工業、化学工業等の設備の熱絶縁工事)

22 電気通信工事業

有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備、データ通信設備等の電気通信設備を設置する工事(電気通信線路設備、電気通信機械設置、放送機械設置、空中線設備、データ通信設備、情報制御設備、TV電波障害防除設備工事)

23 造園工事業

整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造する工事(植栽、地被、景石、地ごしらえ、公園設備、広場、園路、水景工事、屋上等緑化工事)

24 さく井工事業

さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事又はこれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事(さく井、観測井、還元井、温泉掘削、井戸築造、さく孔、石油掘削、天然ガス掘削、揚水設備工事)

25 建具工事業

工作物に木製又は金属製の建具等を取付ける工事(金属製建具取付け、サッシ取付け、金属製カーテンウォール取付け、シャッター取付け、自動ドアー取付け、木製建具取付け、ふすま工事)

26 水道施設工事業

上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事又は公共下水道若しくは流域下水道の処理設備を設置する工事(取水施設、浄水施設、配水施設、下水処理設備工事)

27 消防施設工事業

火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取付ける工事(屋内消火栓設置、スプリンクラー設置、水噴霧・泡・不燃性ガス・蒸発性液体又は粉末による消火設備、屋外消火栓設置、動力消防ポンプ設置、火災報知設備、漏電火災警報器設置、非常警報設備、金属製避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋又は排煙設備の設置工事)

28 清掃施設工事業

し尿処理施設又はごみ処理施設を設置する工事(ごみ処理施設、し尿処理施設設置工事)

許可後の各種変更届出

許可後の各種変更届出

許可を受けた後、下記のように申請事項について変更があった場合には、その都度、必要書類を提出しなければなりません。
主に営業所について

  1. 商号又は名称を変更したとき
  2. 営業所の名称、所在地又は業種を変更したとき
  3. 営業所の新設
  4. 資本金額(又は出資総額)に変更があったとき
  5. 新たに法人の役員、個人事業の支配人となった者があるとき
  6. 法人の役員、個人の事業主又は支配人の氏名に変更があったとき
  7. 建設業を廃業等したとき

※上記の場合、事実発生の日から30日以内に届出をしなければなりません。

経営業務管理責任者・専任技術者等について

  1. 経営業務の管理責任者を変更したとき
  2. 婚姻等により経営業務の管理責任者となっている者の氏名が変更となったとき
  3. 経営業務の管理責任者の要件を欠いたとき
  4. 専任技術者を変更したとき
  5. 婚姻等により専任技術者となっている者の氏名が変更となったとき
  6. 専任技術者の要件を欠いたとき
  7. 新たに支店長を置いたとき
  8. 欠格要件に該当するに至ったとき

※上記の場合、事実発生の日から2週間以内に届出をしなければなりません。

その他

  1. 事業年度を終了したとき
  2. 使用人数に変更があったとき
  3. 国家資格者等・監理技術者一覧表に記載した技術者一覧表に記載した技術者に変更があったとき
  4. 令第3条に規定する使用人の一覧表に変更があったとき
  5. 定款に変更があったとき

※上記の場合、毎事業年度経過後4月以内に届出をしなければなりません。

請負契約を履行するに足る財産的基礎又は金銭的信用を有しているとは

財産的基礎又は金銭的信用を有しているとは

簡単に言えば万一契約後に倒産するようなことがないか、金銭的な要件が設けられていると考えてください。

一般建設業許可の場合

次のいずれかに該当すること

自己資本額が500万円以上あること

500万円以上の資金調達能力があること

許可申請の直前5年間、許可を受けて継続して営業した実績を有すること

特定建設業許可の場合

次のすべてに該当すること

欠損比率が資本金の20%以下

流動比率が75%以上

資本金が2000万円以上

自己資本が4000万円以上

ですので、資本金が500万円以上で設立をお勧めしています。

また、残高証明の場合は申請日から1ヶ月以内のものが必要です。

さらに、長野県の場合は初回の更新の際は、5年の営業実績に満たないと判断し、残高証明か融資証明を求めますので注意が必要です。

専任技術者とは

専任技術者とは

建設業許可を受け、営業を営もうとする全ての営業所に一定の資格、経験を持つ方を常勤として配置することが必要になります。その方を専任技術者といいます。

一般建設業

国家資格者

実務経験

大卒 指定学科 卒業後 3年以上

高卒 指定学科 卒業後 5年以上

上記以外 10年以上

特定建設業

1級の国家資格者等

指導監督的実務経験2年以上(指定建設業(土、建、電、管、鋼、舗、園)は不可

国家資格者等については長野県手引きP25~28

指定学科については長野県手引きP29

経営業務の管理責任者とは

経営業務の管理責任者とは

法人であれば常勤の取締役、内1人が個人であれば、本人又は支配人のうち1人が、建設業に関し一定の経営経験が必要です。

個人事業主、取締役等の経験

許可を受けようとする建設業の経験 5年以上

それ以外の建設業の経験 7年以上

執行役員、個人事業主の跡取り等(許可を受けようとする業種についてのみ経験を認める)

取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲をを受けた、執行役員 5年以上

経営業務の補佐した経験 個人事業主の跡取り等  7年以上

証明としては、法人の役員の場合、登記簿等、個人の場合は確定申告書、その他建設業に従事していたことを証明する契約書、注文書、請書等が必要です。

建設業許可の要件

建設業許可の要件(長野県手引きより)

  1. 経営業務の管理責任者としての経験がある者を有していること
  2. 専任の技術者を有していること
  3. 請負契約に関して誠実性を有していること
  4. 請負契約を履行するに足る財産的基礎又は金銭的信用を有していること
  5. 欠格要件に該当しないこと

特に、1(経営業務の管理責任者)、2(専任技術者)についてが問題になります。

建設業許可とは

建設業許可とは

建設業とは元請、下請その他いかなる名義を持ってするかを問わず、建設工事の完成を請け負う事業を指し、建設工事を施工する業者は個人、法人問わず建設業許可を取らなければなりません。

ただし、軽微な工事にあたる場合は許可は不要です。

軽微な工事とは(建設業法施行令1条の2第1項)

建築一式以外 1件の請負代金が500万円(税込)未満

建築一式工事 1件の請負代金が1500万円(税込)未満 又は 木造住宅で延べ床面積が150㎡未満

では、契約を複数に分ければいいのではという質問もありますが、分割発注した場合は、正当な理由がある場合の除き、その合計額で判断することになっています。(建設業法施行令1条の2第2項)

さらに、材料を発注者(元請業者)が出せば工事代金は下がるからいいのではということに関しても、「注文者が材料を提供する場合においては、その市場価格又は市場価格及び運送賃を当該請負契約の請負代金の額に加えたものを第一項の請負代金の額とする。」とされています。(建設業法施行令1条の2第3項)

大臣許可と知事許可

大臣許可 2つ以上の都道府県に営業所を設ける場合

知事許可 1つの都道府県のみに営業所を設ける場合

* 営業所とは建設工事の契約を締結する事務所を指し、単なる連絡所や作業員詰所は該当しません。

では長野県で知事許可を取得された業者は、他県で営業できないのかというとそんなことはありません。あくまで営業所がどこにあるかという基準です。

一般建設業と特定建設業

一般建設業 発注者から請け負った工事1件で、下請け契約の制限が3000万円未満(建築一式の場合は4500万円未満)の制限があります。

特定建設業 制限がありません。

元請のゼネコンが1次下請けに出す金額が大きいケースがイメージしやすいかと思います。

建設業許可の分類

許可は一式工事(土木一式、建築一式)と専門工事の28業種に分類されています。一式工事をとれば他の専門工事全て出来ると勘違いされている方もいらっしゃいますが、上記許可の必要な工事の場合はそれぞれ専門工事の許可も必要です。

建設業許可のメリット・デメリット

メリット

一定額以上(500万以上)の工事が受注できる

金融機関の融資等で優遇される

技術力、資金力等の信用が担保される。

デメリット

建設業法に則った手続き(1年に1回変更届や5年に1回の更新、各種変更届)が必要になり、事務が煩雑になる。(この業務を代理するのが行政書士の役割の一つです)

情報が公開される(許可申請の書類や変更届(決算書類も含む)

お問い合わせはこちら

COCORO行政書士法人
代表社員 古谷 優佳
所在地 〒381-2211 長野市稲里町下氷鉋397
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FAX:026-214-2387
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